関ヶ原の戦いから5年、剣よりも金が力を持ち始めた京都、祇園――。
”宮本武蔵”という名を捨て、祇園で生きる桐生一馬之助のもとを、ひとりの少女が訪れる。 少女の名は遥。 遥は桐生に願った。「宮本武蔵を殺して下さい」と。 みずから遊郭に売って得た、たった一両のその金で。
この少女との出会いをきっかけに、運命の歯車が回り始める……。